私が猟師になった根底には我が家で牛を飼育していたこともあると思っています。
小さいころから生き物が食べ物になるのだということを体験から学びました。
牛は臆病な生き物ですが、慣れると近寄ってきたり、手からご飯を食べたりととても可愛いです。
毎日ご飯をあげ、寝床の藁をかえたりと熱心にお世話をして可愛がっても、いつか出荷の日はやってきます。
出荷の際、牛は自分の運命がわかるのか、なかなかトラックに乗ってくれません。なき声をあげをながら足を踏ん張りトラックに乗ろうとしない牛を見ると、たまらない気持ちになりました。
それらを感じてきたからこそ生き物が食べ物になり自分の体を作る。そのことに納得するとともに命への責任を感じるようになりました。
また、食の安全が問題視されるなか自分で食べるものは自分で捕りたいという思いから野菜や米をつくり、釣りをし、狩猟をするようになりました。
狩猟では銃で撃った後や罠にかかった鹿や猪を刃物で止め刺しします。
はじめて止め刺しをした時は銃で撃つ時よりも何倍も何倍も抵抗感がありました。
あー、自分は今この命を奪ってしまったのだと。
だからこそ大切に食べますし、手間はかかってもなるべく余すことなく大事に商品にしてお客様にお届けしています。
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